「料理をする」という行為の本質に迫った言葉にあふれている。読んでいると、土井先生の声が脳内再生される。
美味しいものを食べようとすると、いつでも食べられる。美味しいものを食べようとすると、ネットである程度はみつけられる。美味しいものを追求する私たちに「そもそも料理って何よ」と立ち止まらせてくれる本ですね。そう、いつのまに料理は、美味しいものじゃいけなくなったんだと。もともとは、生命維持のために料理して食べていた。しかし、料理そのものを生命維持ではなく、特別なこととして楽しめるようになった。これって当たり前になってるけど、当たり前じゃなかったとあらためて感謝することが大事だと気付かされます。あと、自ら料理をすれば健康になれる。これ、ほんとに痛感。外食だと体に悪いってわかっててもやめられない「脂っこい味」「めちゃ辛い味」「お酒に合う濃い味」。自分で料理したら、絶対加減するもんね。ちょっとなかった視点にグッときた。今年イチの、思考を止めない読書でした。そうそう、読んだ人はめちゃ優しくなれる本だと思います。
※画像はミシマ社HPから転載
https://mishimasha.com/books/9784909394941/